野外やカフェでアコギを使うにはやっぱりアンプが必要。
でも…アコギアンプって、一体どれを買ったらいいのかな?
エレキアンプで代用できる?
アコギアンプについていろいろな疑問にお答えします。
エレキアンプでもいいのかな?
ギターアンプは大きく分けて、エレキギター用、ベースギター用、アコースティックギター用とあります。
エレキギター用のアンプは、歪んだ音を作るということを想定として設計されているのに対し、
アコギ用のアンプはギターのナチュラルな音を忠実に増幅させて出力する事が必要となります。
さらに、エレキギターとアコースティックギターの、音域の幅の違いも考える必要があります。
エレキギター用アンプは、ミッドレンジ(中域)の増幅が中心ですが、
アコーステックギター用アンプはフルレンジ(全音域)つまり低音から高音まで全音域が必要になります。
そのため、アコースティックギター用アンプの場合、
アンプのスピーカーが小さくても大きくてもアコギの全音域がバランス良く出る事が大切になります。
というわけで、エレキギター用アンプにアコギを繋いでも美しい音を出すことは難しいと言えます。
エレキギター用アンプかベースギター用アンプの、どちらがアコギに適しているかと言えば、ベースギター用アンプです。
なぜならベースギター用アンプもフルレンジ(全音域)アンプだからです。
でも低音が強いベースギター用アンプでアコギの繊細なサウンドを再現できるかどうかとなると、
やはりどうしてもアコーステックギター専用アンプが最適と言えます。
ではアコギ用アンプにはどんな種類があるのでしょうか?
アコギ用アンプの種類
アコギ用アンプにも、その目的によっていくつかのタイプがあります。
以下のようなシュチュエーションが考えられます。
例えば
・路上ライブや屋外で使いたい
・カフェなどの小さい会場で使いたい
・ピアノや他の音量の大きな楽器とセッションしたい
・部屋でエフェクターの音を確認したい
…など、それぞれの目的によって適するアンプが違います。
それぞれのシュチュエーションごとに適したアンプについてこれからご説明します。
ではまず、アコギアンプの種類を挙げてみます。
純アコギ用アンプ選び方とおすすめ4選
【向いているシチュエーション】
・カフェライブ
・他の楽器とのセッション
・自室にてエフェクターの音質チェック
電源をコンセントから取るタイプで、アコギの音を増幅します。
大抵入力は2つあり、弾き語り用のマイクとギターを接続できます。
それぞれにリバーブがかけられる仕様になっている物の方が使いやすいでしょう。
多くのアコギ用アンプには、音量の増幅の他にイコライザー(EQ)が低域・高域の2バンドか、さらに中域の付いた3バンドあり、
現場に合わせて音質を調整することが可能です。
例えば、アンプは床に置くより椅子の上に置いて聴く人の耳の高さに近づけた方が音質は良くなります。
でも、仕方なく床に置く場合には低音が強調される傾向にあるため、低域を少し下げる機能が必要です。
そのためこのイコライザー(EQ)の機能が役立ちます。
また、ふたりで2本のギターを弾く場合、
それぞれのギターの音質が違う時にもイコライザー(EQ)があると、音質を近づける事ができ便利です。
FISHMAN/LOUD BOX MINI
4万以下アンプの中ではかなりバランスが良く、フィッシュマンのピックアップとの相性が良いと言われています。
BOSS / ACS-LIVE Acoustic Singer Live
nループ機能(短時間録音)も付いて、ひとりで伴奏を録音しメロディーを重ねる事も可能
Fender フェンダー Acoustic 100
木製BOXの響きも利用したナチュラルなサウンドが特徴
ACUS アコース One For Strings 6T
アコースティックやクラッシックギターで自然な音色を増幅できるように工夫されたイタリア製高級アコギ用アンプ。
ミニPAとしての機能もあります。
バッテリー搭載型アコギ用アンプの特徴とおすすめ5選
【向いているシチュエーション】
・ストリートライブや屋外での使用
・カフェライブ
・他の楽器とのセッション
・自室にてエフェクターの音質チェック
電池や充電バッテリーなどで駆動可能なタイプのアンプです。
メリットは以下の通りです。
- 電源確保を考えなくて良い
- 気軽にセッティングができる
- 屋外でもすぐにライブができる
デメリットとしていくつかあります。
- どうしても出力ワット数が低くなりがちで、大音量が得にくい
- 駆動時間を気にしなければならない
- アンプの重量が重くなる
最近の製品では、電池だけでもかなりの音量が得られるモデルもあります。
また、8時間電池駆動可能なアンプもあり致命的なデメリットではないので、
屋外でのパフォーマンスの際にはまず候補に入れたいところです。
電池駆動のアンプは、最初に書いた純アコギ用アンプに比べるとワット数(音量)が小さめですが、
あまり大音量だと迷惑になりますので、ある程度のワット数(音量)で十分と言えるでしょう。
ヤマハ YAMAHA THR5A
小型でエフェクト多数内蔵。自宅で練習用に最適。ウクレレを繋いでもOK。
ROLAND ( ローランド ) / AC-33-RW
単三電池8本で8時間演奏可能。ループ機能(短時間録音)付き。
FISHMAN ( フィッシュマン ) / Loudbox Mini Charge Amplifier
バッテリー駆動時間は中程度の音量で12時間。最大60ワット。
AER 60W 充電式 Compact mobile2
プロも使う高級アコースティックギターアンプ。AER Compact 60のバッテリー内蔵タイプ。
BOSE ( ボーズ ) / S1 Pro
ギターアンプとしてだけではなく、他の楽器にも、またはスピーチ用PAとしても使える音質。
コラムスピーカータイプPAの特徴とおススメ4選
【向いているシチュエーション】
・カフェライブ
・他の楽器とのセッション
一人でソロギターならギターアンプだけでも良いのですが、二人でギターを弾き歌も歌うという事になると、
どうしても入力がギター2本、マイク2本と4CH(チェンネル)が必要になります。
4CH(チャンネル)だと普通はミキサーが必要になりますが、
ミキサーに近い機能が搭載されているコラムスピーカータイプPAなら対応することが出来ます。
コラムスピーカータイプPAにはいろいろと便利な機能が備わっているものがあり、
例えばBluetoothやAUX入力を搭載したアンプでは、
伴奏音源をアンプから鳴らしてそれに合わせてギターとセッションすることもできるようになっています。
またリバーブの他にコーラスやハウリング対策に便利なノッチ・フィルター機能も現場では非常に役立つ機能と言えます。
このコラムスピーカータイプPA、最近はおしゃれなカフェとかバーなどで、よく見かけるようになりました。
FISHMAN ( フィッシュマン ) / SA330x
ベースBOX別売りなので選ぶ時は注意が必要。
BOSE ( ボーズ ) / L1 Compact
スタンド不要のデザインで、カフェなどでは会場のどこにいても音質の変化が少ないですが、大音量再生には向いていません。
YAMAHA ( ヤマハ ) / STAGEPAS 1K
出力1000ワットで大音量にも対応。パワーが必要な場合におすすめ。
L.R.Baggs ( エルアールバックス ) / Synapse
余裕の500ワット出力、180度の方向にナチュラルな音を均一に響かせることが可能。
アコギ用アンプ比較のコツ
上に書いたように、アコギ用アンプ選びは、まずあなたがアコギアンプに求めるものは何か、それを見極めることが大切です。
あなたが最も重視するのは何でしょうか?
- アンプの音質?
- 持ち運びの便利さ?
- ミキサー機能の充実?
アンプのサイズに関わらず、低音から高音までバランス良く出力するというのは意外に難しい技術です。
音質と価格は大きな要素-プロおすすめの2機種
音質だけの比較をすると、3万円クラスと6万円クラスのアンプでは明らかに違いがあります。
そして6万円クラスと10万円クラスでもやはり違います。
値段が高い物の方が、アコースティックギターの音の再現力は高くなります。
プロ・ギタリストがアンプを選ぶ際に比較するメーカーが2つります。
AERとACUSです。
AERアコーステックギターアンプ 60wCompact 60/3
トミー・エマニュエルをはじめ多くのAERのユーザーはライブ用モニターとして使っています。
ACUS アコース One For Strings 6T Wood
アコースティックやクラッシックギターで自然な音色を増幅できるように工夫されたイタリア製高級アコギ用アンプ。
ミニPAとしての機能もあります。
一部のギタリストはAERを選択し、他のギタリストはACUSを選択します。
AERもACUSも高級アコギ用アンプとして、どちらも非常に完成度が高い物なのに、なぜプロでも好みが分かれるのでしょうか?
実は、アコギ用アンプの評価には、次の大切な要素があるからなのです。
ピックアップとの相性問題
具体的な例で説明しましょう。
3万円代のアンプで評価が高いものに FISHMAN(フィッシュマン)/LOUD BOX MINI があります。
でも厳しく評価すると、音質的にはフラットと言うより低域と高域が少し強く出る傾向があります。
それは、同じメーカーのフィッシュマンのピックアップを繋いだ時に
特にバランス良く聞こえるようにサウンドが調整されているからなのです。
つまりこれが、ピックアップとアコギ用アンプの相性が良いという事になります。
ギターとアンプの間で相性問題が生じてしまうのです。
つまり前述のAERとACUSなどの高品質なアコギ用高級アンプでも、
使用者自身のギターに搭載されているピックアップとの相性で評価が変わる可能性があるのです。
それで自分でアコギ用アンプを選ぶ際に正しい評価をするには、
ギターに搭載されているピックアップが出来るだけクセのないナチュラルな特性である必要があります。
この点でおすすめ出来るピックアップのひとつは、
最近話題のAyers(エアーズ)ギターに搭載されているスーパーナチュラル・ピックアップです。
スーパーナチュラル・ピックアップは4種類の異なるサウンドがプリセットされている最新のデジタルピックアップです。
- ストロークに向いた自然な音
- フィンガースタイル用のサウンド
- バンドで使えるリードギター用のサウンド
- ガットギターのような柔らかな音色
しかもギターに合わせてサウンドはすでに調整されているので、
アコーステックギターの持つ自然な音色を再現すると話題のピックアップです。
最新型デジタルプリアンプを搭載したスーパーナチュラル・ピックアップであれば、
アコギ用アンプの本当の音をチェックするのに最適です。
この、ギターとアンプの相性問題まで考えてアコギ用アンプを選べたら最高と言えるでしょう。
スピーカー口径の違い
100人規模で大音量のライブをする場合に注意したい点があります。
上に書いたコラムスピーカータイプPAの多くが、2-3インチの小さなスピーカーを縦に並べています。
それにベースボックスのウーハーとセットで使います。
それに対し従来のPAスピーカーは15インチが標準です。
YAMAHA ( ヤマハ ) / DBR15
もし100人規模のライブで大音量が必要な場合、2-3インチ・スピーカーで大音量の時と
15インチで大音量の時では、同じ音量でも聴く人の心地良さが違ってくるのです。
スピーカー口径が小さいもので大音量の場合、音が少し鋭い感じになり、
これを長時間聴くと疲れると感じる場合が多いのです。
それで、ライブ規模が大きくなればなるほど、スピーカー口径も大きな物にする必要があります。
そのようなわけで、アコギ用アンプだけで対応できる人数は20-40人ほどでしかも大音量ではない
というのが前提になるでしょう。
まとめ
アコギ用アンプを選ぶ時には
- 主にどんなシチュエーションで使いたいのか
- 使用目的をはっきりさせる事
がポイントでした。
そしてアンプの音質と値段には大きな関係があること。
また、ギターとアンプの相性問題もありますので、周りの評価だけで選ぶと失敗することがあります。
気持ちのいい音でギターの音を再現するために、いろいろな要素を考えて納得のいくアンプを選びましょう!
アコギ用ピックアップも合わせて購入を考えたい方は以下のページもご参照ください。